2026年02月07日 [長年日記] 編集
§ [CoC] シナリオ:First Contact
今回は新クトゥルフ神話TRPGの探索者とキーパー(以下KP)の探索者(以下KPC)の1on1シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。
このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
キーパー向け情報
デ・オムニブス・ドゥビタンドゥムと名付けられた宇宙船がある。この宇宙船は地球を遠く離れた惑星から物資を集め、地球へと戻る貨物船だ。地球へと旅する間、乗組員は冷凍睡眠装置に入り、必要な要員が適宜睡眠を解除され、船内のメンテナンスや貨物のチェックなどを行なう仕組みになっている。
探索者はこの宇宙船のクルーの1人だ。深宇宙へと向かえる宇宙開発は進んでいるが、一般の文明レベルは21世紀初期と大きな変化はない。探索者を作成する際は、現代人に相当するものとして作成すること。
今回、探索者は冷凍睡眠装置によって目覚めさせられる。船内活動はオートメーション化が進んでいるため、基本的に一度に目覚めるのは1人だ。しかし、今回は様子が違う。冷凍睡眠装置には睡眠中を示す緑色のランプ、解除中を示す赤色のランプ、そして異常発生を示す黄色のランプがあるが、1つのポッドに黄色のランプが光っているのだ。
探索者はその異常を調査するために、覚醒させられた。黄色のランプが光っているポッドに向かい、問題を解決するのだ。
重大な情報
KPCは地球人ではない。KPCは“アルパ”と呼称される生命体で、ある惑星で捕獲され、何ものかが地球へ密輸するために乗組員に偽装して冷凍睡眠装置に入れられている。だが、冷凍睡眠装置は地球人と“アルパ”の構造の違いから生じる反応の違いを“異常”と認識し、そのポッドに黄色のランプをつけたのだ。
さて、“アルパ”は地球人とほとんど変わらない生態や精神性を持つが、唯一致命的に相容れない部分がある。それは、地球人は“アルパ”を表面が不気味に沸騰するように泡立つ肉塊にしか見えないところだ。
KPはこの“アルパ”であるKPCを操り、探索者と相互理解せよ。それが今回のシナリオの目的だ。
シナリオの導入
「シュッ」という空気が抜ける音が聞こえ、探索者は冷凍睡眠から覚醒する。ベッドのようになっているポッド内のマニピュレータが“
こうして覚醒させられたということは、探索者は何かの仕事をしなければならない。ポッドがゆっくりと開き、外界の少々生ぬるい空気が流れ込んでくる。
仕事の時間だ。
1.アラート
乗組員の部屋は個室だが、ドアの横には他の乗組員のポッドの状況を示すパネルがある。睡眠から起こされた探索者のポッドを示すものに赤のランプが、睡眠中の者のポッドには緑のランプがついている……はずなのだが、1つだけ“異常発生”を示す黄色のランプが灯っている。
パネルの下にある船内情報を表示するモニタには、『睡眠ポッドの異常が検出されました。調査を行なってください』と表示され、自動音声でもそれが流れている。
探索者がその部屋へ向かうなら「2.黄色いランプの部屋」へ進むこと。
2.黄色いランプの部屋
黄色いランプの部屋のロックは外されており、何の障害もなく探索者は中へ入ることができる。
部屋の構造は探索者の部屋と変わらず、モニタと自動音声も変わらない。唯一違うのは、ポッドの横にある手動停止スイッチが赤く明滅し、その表面に『押』と文字が浮かび上がっているところだ。
探索者がスイッチを押したら冷凍処理が停止する機械音がして、マニピュレータが“死体袋”を開いていき、ポッドが開いていく。
ポッドが開ききったら「3.First Contact」へ進むこと。
3.First Contact
ポッドの中からはKPCが姿を現わす。その姿は表面が不気味に沸騰するように泡立つ肉塊である。この異形の生命体を見てしまった探索者は1/1D10の正気度ポイントを喪失する。
この後、KPCは探索者に何らかのコミュニケーションをはかってもよい。「私は人間だ」や「危害は加えない」などだ。だがその声は地球人にとって耳をぞわぞわさせる異音にしか聞こえない。
KPCが探索者に何らかのコミュニケーションをはかったなら、探索者は〈アイデア〉ロールに成功すれば、KPCがコミュニケーションをはかっていることを理解できる。そうでない場合、怖気の走るような声により0/1の正気度ポイントを喪失する。
探索者はこの場から逃げ出してしまうこともできる。その場合の逃げ場はラウンジくらいしかない「5.ラウンジ」へ進むこと。KPCはそれを追っても、この場で待っていても構わない。
探索者とKPCとの相互理解が成立したら「4.相互理解」へ進むこと。
4.相互理解
KPCは以下のような事実を把握している。探索者と相互理解できたなら、共有してもよいだろう。
- 自分は地球人たちから“アルパ”と呼称されている種族である(個体名はKPが決めて構わない)。
- 故郷の惑星で地球人たちに捕らえられ、“死体袋”に閉じ込められたこと。
地下室へ向かうなら「5.ラウンジ」へ進むこと。
5.ラウンジ
ラウンジはすべての乗組員に開放された空間で、そこには食事や飲み物を提供する装置や、穏やかな時間を過ごせる休憩スペース、船内情報にアクセスできるコンピュータ端末などがある。
黄色いランプが光っていた部屋の存在について端末を操作すれば「乗組員分類は旅客、名前はジョン・ドゥ(“名無し”を意味する英語の俗語である)」、「ジョン・ドゥはターミナスという寄港地で乗船した」という情報まではわかる。
さらに〈コンピューター〉に成功すれば、「ジョン・ドゥは“アルパ”と呼称される異星知的生命体(ようするに宇宙人ということである)」、「“アルパ”は地球人とほとんど変わらない姿形をしているが、どういうわけか地球人には異形の存在に見えてしまう」、「ジョン・ドゥの行動ログが改竄されていること」がわかる。
結末
探索者と“アルパ”たるKPCは相互理解できるだろうか。あるいは、殺し合いになるだろうか。それを決めるのは君たち次第だ。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
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