2026年02月21日 [長年日記] 編集
§ [CoC] シナリオ:Third Person
今回は新クトゥルフ神話TRPGの探索者とキーパー(以下KP)の探索者(以下KPC)の1on1シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。
このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
キーパー向け情報
デ・オムニブス・ドゥビタンドゥムと名付けられた宇宙船がある。この宇宙船は地球を遠く離れた惑星から物資を集め、地球へと戻る貨物船だ。地球へと旅する間、乗組員は冷凍睡眠装置に入り、必要な要員が適宜睡眠を解除され、船内のメンテナンスや貨物のチェックなどを行なう仕組みになっている。
探索者とKPCはこの宇宙船のクルーだ。深宇宙へと向かえる宇宙開発は進んでいるが、一般の文明レベルは21世紀初期と大きな変化はない。探索者を作成する際は、現代人に相当するものとして作成すること。
今回、探索者たちは冷凍睡眠装置によって目覚めさせられる。船内活動はオートメーション化が進んでいるため、基本的に一度に目覚めるのは1人だ。しかし、今回は様子が違う。冷凍睡眠装置には睡眠中を示す緑色のランプ、解除中を示す赤色のランプが3つ光っている。
一度に3人のクルーが睡眠解除された理由は不明だが、そのうち1名のパーシヴァル・アボ博士についてはその理由は明確だ。
ガラハッドはこの船で運送されている検体群が地球の安全を維持するためのSTE法に抵触していると判断し、パーシヴァルのアカウントを利用して船を制御する13基のコンピューター、“
探索者とKPCはこの自爆に従い、死ぬのか。それとも法を破ってでも生きるのか。すべては彼らが決めることだ。
以前のシナリオの続きとしてプレイする場合
探索者とKPCが生き残り、前回の続きとしてプレイしたい場合、このシナリオをそれらの続きとしてプレイすることが可能である。
そうする場合、新たなクルーが冷凍睡眠から解除されることはない。
シナリオの導入
「シュッ」という空気が抜ける音が聞こえ、探索者は冷凍睡眠から覚醒する。ベッドのようになっているポッド内のマニピュレータが“
こうして覚醒させられたということは、探索者は何かの仕事をしなければならない。ポッドがゆっくりと開き、外界の少々生ぬるい空気が流れ込んでくる。
あなたの他にはKPCともう1人誰かが覚醒させられている。さて、仕事の時間だ。まずは船員が集まるためのラウンジに行こう。
以前のシナリオの続きとしてプレイする場合
探索者とKPCが前回の事件を終わらせて一息ついていると、船内にもう1人分の覚醒反応が現われる。
1.3人目
ラウンジに探索者とKPCがやって来ても、もう1人は一向に現われない。彼の名前は“パーシヴァル・アボ”。心理学や医学の博士号を持つ、クルーのメンタルケア担当者だ。探索者とKPCがいくら待っても彼は集合場所であるラウンジに姿を現わさない。
探索者やKPCが端末を操作して彼の部屋の様子を調べてみるなら、冷凍睡眠装置は既に解除されて“死体袋”も開いていることがわかる。さらに詳しいことを知りたいなら〈コンピュータ〉に成功すれば、彼のベッドにはまだ彼の体重分加重があることがわかる。
もしもこの判定にイクストリームで成功していれば、“
パーシヴァルの部屋に行ってみるなら「2.アボ博士の部屋」へ進むこと。
シージペリラスへのアクセスを試みるなら「3.危難の座」へ進むこと。
以前のシナリオの続きとしてプレイする場合
覚醒させられたクルーの名前は“パーシヴァル・アボ”。心理学や医学の博士号を持つ、クルーのメンタルケア担当者だ。探索者とKPCがいくら待っても彼は集合場所であるラウンジに姿を現わさない。
探索者やKPCが端末を操作して彼の部屋の様子を調べてみるなら、冷凍睡眠装置は既に解除されて“死体袋”も開いていることがわかる。さらに詳しいことを知りたいなら〈コンピュータ〉に成功すれば、彼のベッドにはまだ彼の体重分加重があることがわかる。
もしもこの判定にイクストリームで成功していれば、“
パーシヴァルの部屋に行ってみるなら「2.アボ博士の部屋」へ進むこと。
シージペリラスへのアクセスを試みるなら「3.危難の座」へ進むこと。
2.アボ博士の部屋
パーシヴァルの部屋のロックはクルー全員が覚醒の時にそうされるように、解除されている。中に入ると、そこには冷凍睡眠装置の上で開かれた“死体袋”の上に、中途半端な解凍をされて水がしたたっているパーシヴァルの死体がある。この異様な死に様を見た探索者とKPCは1/1D4+1の正気度を失う。
その直後、扉が閉じ、ロックがかかる。操作を行なったアカウントはパーシヴァルの物で、彼の承認が無ければロックは解除できない。
部屋の端末には『わたしは地球世界の危機管理を任されている最終安全プログラム、ガラハッド。わたしはこの船で搬送されている検体“アルパ”や検体“スティグマ”は地球に多大なリスクを与えると判断している。本来ならこの船は出航直後に
部屋のロックを解除するためにはSTRや〈機械修理〉に成功するか、〈コンピューター〉でハード以上の成功を出せばいい。
「4.電脳戦」へ進むこと。
3.危難の座
シージペリラスにアクセスすると、その端末に文字列が形成され、スピーカーを通してもこう宣言される。
『わたしは地球世界の危機管理を任されている最終安全プログラム、ガラハッド。わたしはこの船で搬送されている検体“アルパ”や検体“スティグマ”は地球に多大なリスクを与えると判断している。本来ならこの船は出航直後に
「4.電脳戦」へ進むこと。
4.電脳戦
ガラハッドからのメッセージの直後、乗っ取られたパーシヴァルのアカウントから“円卓”へ13基の多数決原理によるSTE法執行、すなわち、この場での船の自爆が命令される。
しかし、ガラハッドが話していたように他の12基はこれを許否する。そこで、パーシヴァルのアカウントは他の“円卓”を掌握するための乗っ取りを行ない始める。残り6基の賛成をもって、ここで船を自爆させるつもりだ。もちろん、これがなされれば探索者やKPC、他の多くの命はここで失われる。
探索者やKPCが部屋の端末や自分の携帯端末を使い、〈コンピューター〉でハード以上の成功をすれば、ガラハッドによる支配を防ぐための防壁、
ここから先、探索者とKPCがあわせて2回判定するたび、ガラハッドは“円卓”1基を掌握する。ICEがあるなら、それを破壊する。これによってガラハッドが6基の円卓を掌握すれば、STA法によりこの船は自爆してしまう。
このいたちごっこの根本的な解決は、シージペリラスのガラハッドを停止させるか、シージペリラスを直接制圧することでしか行なえない。ガラハッドを排除するには、〈コンピューター〉のイクストリーム成功を連続して3回行なう必要がある。
シージペリラスを直接制圧するなら「5.危難の座(物理)」へ進むこと。
5.危難の座(物理)
“円卓”が置かれている電算室は船内13箇所にあるが、探索者やKPCはその場所を熟知しているため、すぐにその場へは向かえる。しかし、電算室のセキュリティは厳しく、STRや〈機械修理〉のハード成功か、〈コンピューター〉のイクストリーム成功でしか開けることはできない。
電算室の中に入れば、そこには人の背の高さほどの大型電算機がある。メインとサブの電源ケーブルを引き抜けば、ガラハッドは最後に1回行動した後、停止する。
結末
さて、AIとの戦いに君たちは勝利することができただろうか。まあ、そうでなければ死んでいるのだが。博士や他のクルーの死を悼みながらも、そろそろ地球が近づいてきた。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」
2026年02月14日 [長年日記] 編集
§ [CoC] シナリオ:Second Impact
今回は新クトゥルフ神話TRPGの探索者とキーパー(以下KP)の探索者(以下KPC)の1on1シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。
このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
キーパー向け情報
デ・オムニブス・ドゥビタンドゥムと名付けられた宇宙船がある。この宇宙船は地球を遠く離れた惑星から物資を集め、地球へと戻る貨物船だ。地球へと旅する間、乗組員は冷凍睡眠装置に入り、必要な要員が適宜睡眠を解除され、船内のメンテナンスや貨物のチェックなどを行なう仕組みになっている。
探索者とKPCはこの宇宙船のクルーだ。深宇宙へと向かえる宇宙開発は進んでいるが、一般の文明レベルは21世紀初期と大きな変化はない。探索者を作成する際は、現代人に相当するものとして作成すること。
今回、探索者たちは冷凍睡眠装置によって目覚めさせられる。船内活動はオートメーション化が進んでいるため、基本的に一度に目覚めるのは1人だ。しかし、今回は様子が違う。冷凍睡眠装置には睡眠中を示す緑色のランプ、解除中を示す赤色のランプが2つ光っている。
一度に2人のクルーが睡眠解除されたのは、この船で運ばれている“スティグマ”という検体が脱走したので、それを拘束し直すためである。
“スティグマ”はある惑星で捕獲され、実験のために地球まで輸送中の飛行するポリプの変種である。キャラクターたちは船内でこれを探しだし、耐久力を0にしてふたたび怪物用の“
“スティグマ”は飛行するポリプの変種で、「突風」、「防風攻撃」、「物理的な武器からは最低値のダメージしか受けない」能力を持っていない。
『シナリオ:First Contact』の続きとしてプレイする場合
探索者と“アルパ”であるKPCが相互理解していた場合、このシナリオをその続きとしてプレイすることが可能である。
そうする場合、新たなクルーが冷凍睡眠から解除されることはない。
シナリオの導入
「シュッ」という空気が抜ける音が聞こえ、探索者は冷凍睡眠から覚醒する。ベッドのようになっているポッド内のマニピュレータが“
こうして覚醒させられたということは、探索者は何かの仕事をしなければならない。ポッドがゆっくりと開き、外界の少々生ぬるい空気が流れ込んでくる。
仕事の時間だ。
『シナリオ:First Contact』の続きとしてプレイする場合
探索者と“アルパ”のKPCが相互理解を果たせたなら、しばらくすると船内の照明が赤く変わり、何かが起こったことがわかる。
1.アラート
乗組員の部屋は個室だが、ドアの横には他の乗組員のポッドの状況を示すパネルがある。睡眠から起こされた探索者のポッドを示すものに赤のランプが、睡眠中の者のポッドには緑のランプがついている。今回は2人のランプが赤く光っている。通常の業務なら1人で充分なはずだが、2人が覚醒させられたということはそこそこの非常事態なようだ。
船内の照明は非常事態を示す赤い物になっており、パネルの下にある船内情報を表示するモニタには、『験体“スティグマ”の拘束が解除されました。再びの拘束をお願いします。“スティグマ”は透明であるため、十分ご注意ください。推奨されませんが、エリアごとの隔離も許可されます。武器庫のセキュリティ・レベル、ゼロ。無制限の武装が許可されます』と表示され、自動音声でもそれが繰り返される。
この段階で、探索者がKPCの部屋に向かうなり、KPCが探索者の部屋へ向かうなりして、合流しても構わない。
この場の端末で“スティグマ”についての情報を調べるなら、透明で大型車ほどの大きさをした生命体であることがわかる。〈図書館〉に成功すれば、かまいたちが生じるほどの強烈な風を起こし、獲物を切り裂く特殊能力があることを知れる。
探索者たちが武器庫や貨物室へ向かうなら「2.移動中」へ進むこと。
『シナリオ:First Contact』の続きとしてプレイする場合
船内の照明は非常事態を示す赤い物に変わってからはパネルの下にある船内情報を表示するモニタに、『験体“スティグマ”の拘束が解除されました。再びの拘束をお願いします。“スティグマ”は透明であるため、十分ご注意ください。推奨されませんが、エリアごとの隔離も許可されます。武器庫のセキュリティ・レベル、ゼロ。無制限の武装が許可されます』と表示され、自動音声でもそれが繰り返される。
この場の端末で“スティグマ”についての情報を調べるなら、透明で大型車ほどの大きさをした生命体であることがわかる。〈図書館〉に成功すれば、かまいたちが生じるほどの強烈な風を起こし、獲物を切り裂く特殊能力があることを知れる。
とりあえず目下の目的は“スティグマ”の耐久力を0にして、検体用の“死体袋”に詰め込むか、隔離しても問題ない区画まで“スティグマ”を誘導し、探索者がコントロール・パネルで隔壁を閉鎖してエリアごと封じ込めることだ。
幸い、この船には予備の貨物室が大量にあるため、隔離エリアの確保自体はたやすい。
探索者たちが武器庫や貨物室へ向かうなら「2.移動中」へ進むこと。
2.移動中
探索者とKPCのどちらかが〈幸運〉ロールに成功すれば、問題なく目的地に到着できる。だが、どちらも失敗したなら船内をうろついている“スティグマ”と遭遇してしまう。
あえて〈幸運〉ロールを行なわないことでわざと危険そうな場所へ行き、自ら“スティグマ”と遭遇することもできる。
“スティグマ”と遭遇したときに失う正気度ポイントは1D3/1D20である。
現在の“スティグマ”は拘束を振り切ったものの、状況がわからずさまよっているため、探索者たちから1点でもダメージを受ければ、その場を逃げ出そうとする。しかし、それ以上ダメージを受けると、生存本能からか反撃を行なってくる。
以上の判定が終わり、探索者たちが武器庫に向かっているなら「3.武器庫」、貨物室なら「4.貨物室」、ラウンジに向かっているなら「1.アラート」へ進むこと。
3.武器庫
古今東西の武器が詰め込まれた武器庫のロックは解除されており、武器が使用可能になっている。ここで探索者は『新クトゥルフ神話TRPG』の「第16章」の「表17:武器」にある「時代」が「現代」である武器すべてを入手可能だ。また、装甲も409ページの「装甲の例」にある「軍用ボディ・アーマー」までの装備を調達できる。
武器の調達、装備の時間の間も“スティグマ”は船内を徘徊している。探索者とKPCのどちらかが〈幸運〉ロールに成功しなければ、装備を選んでいる途中に遭遇してしまい、武器か装甲のどちらか1つだけを身につけたまま、これと対峙しなければならない。
現在の“スティグマ”は拘束を振り切ったものの、状況がわからずさまよっているため、探索者たちから1点でもダメージを受ければ、その場を逃げ出そうとする。しかし、それ以上ダメージを受けると、生存本能からか反撃を行なってくる。
探索者たちがラウンジや貨物室へ向かうなら「2.移動中」へ進むこと。
4.貨物室
この船にはがらんどうの貨物室が10部屋以上ある。どの部屋も“スティグマ”を封じるには十分な広さがある。
この区画に“スティグマ”を誘導するには、「2.移動中」の処理を行なってスティグマと遭遇し、そこからチェイスする必要がある。チェイスで“スティグマ”を6ドット進めれば、彼(?)を貨物室の中まで誘導できる。一度探索者たちを見つけて2回以上ダメージを受けた“スティグマ”は全力で追いかけてくる。
幸い、船内に隠れる場所は多いため、『新クトゥルフ神話TRPG』の「第7章」の137ページにある「隠れる」で〈隠密〉に成功すれば、“スティグマ”は探索者たちには目もくれず貨物室に入り込むので、後は隔壁を閉鎖すればいい。
5.たったひとつの冴えたやりかた
これは“プレイヤー”が思いついた時のための秘密のプレゼントだ。KPやKPCは絶対にこのことを口走らないこと。
SFやパニックホラーに馴れているプレイヤーなら、船の維持に最低限必要なブロック以外すべてを閉鎖し、残りのすべてをエアロックから宇宙空間へ排除することを提案するかもしれない。
“貨物を安全に地球まで送り届ける”ことを最優先目標としている船の制御AIはその判断に難色を示すが、〈説得〉か〈コンピューター〉をハードで成功すれば、一を捨てて九を取る“合理的”選択だと“納得”し、命令を実行する。
おめでとう。“スティグマ”は船外に排除された。……もっとも、その後その怪物がどうなるかは、神のみぞ知る。だが。
結末
さて、とんだ怪物退治は終わっただろうか。犠牲者が出たなら、彼か彼女に哀悼の意を。そうでなければ、祝杯だ。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」
2026年02月07日 [長年日記] 編集
§ [CoC] シナリオ:First Contact
今回は新クトゥルフ神話TRPGの探索者とキーパー(以下KP)の探索者(以下KPC)の1on1シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。
このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
キーパー向け情報
デ・オムニブス・ドゥビタンドゥムと名付けられた宇宙船がある。この宇宙船は地球を遠く離れた惑星から物資を集め、地球へと戻る貨物船だ。地球へと旅する間、乗組員は冷凍睡眠装置に入り、必要な要員が適宜睡眠を解除され、船内のメンテナンスや貨物のチェックなどを行なう仕組みになっている。
探索者はこの宇宙船のクルーの1人だ。深宇宙へと向かえる宇宙開発は進んでいるが、一般の文明レベルは21世紀初期と大きな変化はない。探索者を作成する際は、現代人に相当するものとして作成すること。
今回、探索者は冷凍睡眠装置によって目覚めさせられる。船内活動はオートメーション化が進んでいるため、基本的に一度に目覚めるのは1人だ。しかし、今回は様子が違う。冷凍睡眠装置には睡眠中を示す緑色のランプ、解除中を示す赤色のランプ、そして異常発生を示す黄色のランプがあるが、1つのポッドに黄色のランプが光っているのだ。
探索者はその異常を調査するために、覚醒させられた。黄色のランプが光っているポッドに向かい、問題を解決するのだ。
重大な情報
KPCは地球人ではない。KPCは“アルパ”と呼称される生命体で、ある惑星で捕獲され、何ものかが地球へ密輸するために乗組員に偽装して冷凍睡眠装置に入れられている。だが、冷凍睡眠装置は地球人と“アルパ”の構造の違いから生じる反応の違いを“異常”と認識し、そのポッドに黄色のランプをつけたのだ。
さて、“アルパ”は地球人とほとんど変わらない生態や精神性を持つが、唯一致命的に相容れない部分がある。それは、地球人は“アルパ”を表面が不気味に沸騰するように泡立つ肉塊にしか見えないところだ。
KPはこの“アルパ”であるKPCを操り、探索者と相互理解せよ。それが今回のシナリオの目的だ。
シナリオの導入
「シュッ」という空気が抜ける音が聞こえ、探索者は冷凍睡眠から覚醒する。ベッドのようになっているポッド内のマニピュレータが“
こうして覚醒させられたということは、探索者は何かの仕事をしなければならない。ポッドがゆっくりと開き、外界の少々生ぬるい空気が流れ込んでくる。
仕事の時間だ。
1.アラート
乗組員の部屋は個室だが、ドアの横には他の乗組員のポッドの状況を示すパネルがある。睡眠から起こされた探索者のポッドを示すものに赤のランプが、睡眠中の者のポッドには緑のランプがついている……はずなのだが、1つだけ“異常発生”を示す黄色のランプが灯っている。
パネルの下にある船内情報を表示するモニタには、『睡眠ポッドの異常が検出されました。調査を行なってください』と表示され、自動音声でもそれが流れている。
探索者がその部屋へ向かうなら「2.黄色いランプの部屋」へ進むこと。
2.黄色いランプの部屋
黄色いランプの部屋のロックは外されており、何の障害もなく探索者は中へ入ることができる。
部屋の構造は探索者の部屋と変わらず、モニタと自動音声も変わらない。唯一違うのは、ポッドの横にある手動停止スイッチが赤く明滅し、その表面に『押』と文字が浮かび上がっているところだ。
探索者がスイッチを押したら冷凍処理が停止する機械音がして、マニピュレータが“死体袋”を開いていき、ポッドが開いていく。
ポッドが開ききったら「3.First Contact」へ進むこと。
3.First Contact
ポッドの中からはKPCが姿を現わす。その姿は表面が不気味に沸騰するように泡立つ肉塊である。この異形の生命体を見てしまった探索者は1/1D10の正気度ポイントを喪失する。
この後、KPCは探索者に何らかのコミュニケーションをはかってもよい。「私は人間だ」や「危害は加えない」などだ。だがその声は地球人にとって耳をぞわぞわさせる異音にしか聞こえない。
KPCが探索者に何らかのコミュニケーションをはかったなら、探索者は〈アイデア〉ロールに成功すれば、KPCがコミュニケーションをはかっていることを理解できる。そうでない場合、怖気の走るような声により0/1の正気度ポイントを喪失する。
探索者はこの場から逃げ出してしまうこともできる。その場合の逃げ場はラウンジくらいしかない「5.ラウンジ」へ進むこと。KPCはそれを追っても、この場で待っていても構わない。
探索者とKPCとの相互理解が成立したら「4.相互理解」へ進むこと。
4.相互理解
KPCは以下のような事実を把握している。探索者と相互理解できたなら、共有してもよいだろう。
- 自分は地球人たちから“アルパ”と呼称されている種族である(個体名はKPが決めて構わない)。
- 故郷の惑星で地球人たちに捕らえられ、“死体袋”に閉じ込められたこと。
地下室へ向かうなら「5.ラウンジ」へ進むこと。
5.ラウンジ
ラウンジはすべての乗組員に開放された空間で、そこには食事や飲み物を提供する装置や、穏やかな時間を過ごせる休憩スペース、船内情報にアクセスできるコンピュータ端末などがある。
黄色いランプが光っていた部屋の存在について端末を操作すれば「乗組員分類は旅客、名前はジョン・ドゥ(“名無し”を意味する英語の俗語である)」、「ジョン・ドゥはターミナスという寄港地で乗船した」という情報まではわかる。
さらに〈コンピューター〉に成功すれば、「ジョン・ドゥは“アルパ”と呼称される異星知的生命体(ようするに宇宙人ということである)」、「“アルパ”は地球人とほとんど変わらない姿形をしているが、どういうわけか地球人には異形の存在に見えてしまう」、「ジョン・ドゥの行動ログが改竄されていること」がわかる。
結末
探索者と“アルパ”たるKPCは相互理解できるだろうか。あるいは、殺し合いになるだろうか。それを決めるのは君たち次第だ。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」