2008年11月22日 練乳ケーキ 編集
§ [DnD][4e][Liber] Jeremy Crawford『Martial Power』[PDF]
4eのコアでは初になるクラス拡張本で、今回は武勇(Martial)のパワーを持つクラスがテーマになってますぅ。ファイター、レンジャー、ローグ、ウォーロードの新しいクラス特徴と、クラスごとに新しい伝説の道(Paragon Path)、武勇系クラス向け特技、そして神話の運命(Epic Destiny)が掲載されているという、3.5eの大全シリーズを彷彿とさせる内容ですぅ。
新しい能力を既存のPCに適用することについてのガイダンスは今までよりも親切に巻頭で解説されていて、ルール通りに再構築を行ないながらゲームを進行する、DMや他の人と話し合ってPCを作り直す、今までのPCを引退させて新PCを導入するという三種類の方法が示されてましたぁ。こういうことをきっちり示しておくというのは割と重要なことだと思うので好印象ですぅ。
ファイターの新クラス特徴はファイターの武器の才(Fighter Weapon Talent)と入れ替える特徴が二種類。敵に近接か近接範囲の攻撃を命中させるごとに一時的hpを得るBattlerager Vigorと、両手に武器を装備するTempest Techniqueが収録されてますぅ。どちらも軽装鎧かチェインメイルまでを装備することでボーナスを得られる、PHB[原書/原書PDF]では再現し辛い軽戦士ができるようになりましたぁ。
伝説の道には、流血状態になった敵に効果を発揮する能力のAvenging Slayer、最大hpを上げたり遭遇中に全てのダメージを軽減するパワーを持つDreadnought、両手持ち武器で敵に跳びかかるDread Reaper、相変わらず手堅く防御を上げるDwarven Defender、攻撃した敵が動いたらそれに乗って移動できるHalfling Bounder、ブレスと剣術を一体とするInner Dragon、仲間にACを配るKnight Protector、間合いのある武器限定パワーだらけで強制移動を強化するPolearm Master、敵のhpを0にしたら次のターンまで強化されるRavager(イラストがフレンジード・バーサーカーの使いまわし)、盾による防御能力を強化するShield Adept、逆手に持った武器のサイズを大きくして計算するShock Trooper、獄炎で攻撃を強化するTiefling Warfiendが収録されてますぅ。
レンジャーはPrime Shotと入れ替える動物使いのBeast masteryで、3eのドルイドみたいに相棒を持てるですぅ。ただし、主人と相棒のアクションが共有(戦闘で相棒はアクションを持たず、主人がアクションを使って命令することで行動する)なので、単純に頭数が増えるというより、長射程の武器が出来た感じかもという印象ですぅ。
伝説の道は、二刀流から進んで投擲武器のサイズを一段階大きい扱いにして両手の武器を投げまくるAvalanche Hurler、ロングソードとあと何かを二刀流した幻惑剣法使いのBlade Banshee、【敏捷力】修正値をダメージに乗せる二刀流使いのBlade Dancer、Beast Masteryで取った相棒を強化して合体攻撃(Twin-Soul Strike)をするFeral Spirit、ファイターからでも進める大型サイズに対して特殊効果のある攻撃をするGiantslayer、レンバスっぽいhp0から再起動する能力とデビルウイング(Wings of Devilry)を生やすティーフリング専用のHellborn Shadow、移動にアクション・ポイントを使うとそれが戻ってきたり暗視を得たりと相変わらずシヴい能力のHorizon Waker、Beast Masteryでウルフを取ったレンジャー専用で自身に狼の力を降ろすPack Runner、人型生物に対する戦闘能力を強化したRuthless Punisher、弓で機会攻撃をしたり遮蔽を無視するようになるSharpshooter、Hunter's Quarryを強化するエルフの弓使いSylvan Archer、Beast Masteryでキャットの相棒を持つレンジャー専用で追い詰めたり追い詰められたりすると力が出るWildcat Stalkerというラインナップですぅ。
ローグはRuthless Ruffianという鈍器使いで、通常なら軽い刃物で使うローグの特徴やパワーをクラブやメイスで使い、さらに新キーワードのRattlingがついたパワーで攻撃すればダメージに【筋力】修正値が乗るというものですぅ。
伝説の道は、〈隠密/Stelth〉を習得したクロスボウ使いのCloaked Sniper、〈運動/Acrobatics〉を習得して態勢を崩されたくらいでは相手に戦術的優位を与えないDaring Acrobat、隣接した相手のセーヴにペナルティを与えたりして確実な殺しを行なうDeath Dealer、急所攻撃のダイスを増やしたりクロスボウと軽刀剣の二刀流を行なうドロウ流暗殺術の使い手Dread Fang、《早抜き/Quick Draw》して投げた得物でのクリティカルを強化するFlying-Blade Adept、〈盗賊〉の専門家で仲間を強化するGuildmaster Thief、先制攻撃(First Strike)やセカンド・チャンスを着実に伸ばすハーフリングのHalfling Quickblade、相手を〈はったり〉で惑わせるMaster Spy、自ら敵のおとりとなる軽刀剣の専門家Rakish Swashbuckler、Raven Queenに仕えるアンデッド葬送人Raven Herald、Ruthless Ruffian向けの【筋力】で〈威圧〉するStrong-Arm Enforcer、ティーフリングの影使いTiefling Hellstalkerですぅ。
ウォーロードはCommanding Presenceのクラス特徴に、仲間がアクション・ポイントを使って攻撃したときに戦術的優位(Combat Advantage)を与え、攻撃が命中したらフリー・アクションで移動アクションを行なえるBravura Presence。仲間がアクション・ポイントで近接攻撃を行なったときにダメージを上乗せし、命中しなかったら一時的hpを与えるResourceful Presence。この二種類が仲間入りしたですぅ。
伝説の道は自ら敵を倒すことで仲間を奮い立たせるBattlelord of Kord、レンジャーとのマルチクラス必須でHunter's Quarryの効果を仲間と共有する辺境警備隊長Borderlands Marshal、自らも攻撃しながら仲間を動かす精鋭部隊の隊長Commando Captain、Genasiの力を仲間に分け与えるConcordant Leader、戦争によって人を革新へと導くDujun of Erathis、敵が次に起こす行動を封殺する能力に優れたEarthfast Brigadier、Bravura Presenceで自らをも奮い立たせるFlamebrow Commander、九層地獄の戦術を身につけて余分なアクション・ポイントを得て使えるようになるInfernal Strategist、スピアで間合いを取りながら敵の動きを操作するLongarm Marshal、善か秩序にして善専用で流血状態になると強化されるPlatinum Warlord、Tactical Presenceを持つエラドリン専用でイニシアチブ振りなおしとフェイ・ステップを応用するパワーを持つSpiral Tactician、インスパイアリング・ワードの対象を二人にしたりするTwiceborn Leaderとなってますぅ。
新しいパワーのキーワードは、〈持久力〉を習得していると命中した時に【耐久力】修正値分の一時的hpを得るInvigorating、〈威圧〉を習得していてダメージを与えると次のターン終了時まで攻撃ロールに-2を与えるRattling、beast companionが遭遇に参加していないと使えないBeastとなってるですぅ。
一時的hpという形でhpを自炊していけるので、リーダーの回復を分散させるためにも殴られることを前提にBattlerager VigorでInvigoratingを強化していくというビルドもありになっていきそうな気がしたですぅ。
特技は英雄級と伝説級がクラスごとに10〜20ほど(ただし種族やクラス特徴が前提条件になるのでかなり絞られる)と武勇クラス汎用がふたつ、神話級になると汎用が14に増えて、その分クラス専用が減ってるですぅ。Genasiとドロウ用の種族特技もてこ入れなのか入ってたですぅ。
マルチクラス特技はクラス能力っぽい能力がもらえるものの他に、伝説級でマルチクラスを選んだ場合にマルチ先のクラス特徴をもらえる(ファイターがCombat Superiority、ウォーロードがCombat Leader、レンジャーがPrime Shot、ローグがFirst Strike)ものが増えてますぅ。
神話の運命(Epic Destinies)は、けして壊されることのない肉体と精神の持ち主として語り継がれるAdamantine Soldier、人と獣の垣根を取り払ってひとつになるBeast Masteryを窮めたBeastlord、あらゆる運命や宿命をすり抜けるDark Wanderer、護ると決めた者たちを永遠に護りつづけるEternal Defender、慢心する神々の喉元に突きつけられる神殺しの切り札Godhunter、次元界で戦われている永遠の闘争に身を投じるLegendary General、マルチクラスの果てに剣術を大成して後の規範となるMartial Archetype、死を超えて死そのものになるPerfect Assassin、自らが死を望むまでの永遠を手に入れたUndying Warrior、勝利に倦み自らを負かす可能性を持った指し手を探して光と闇の神話的戦いに赴くWarmasterと、すべて武勇クラスからしか進めないものが揃ってるですぅ。
§ [Promiscuus] 影つきみかん
葉っぱの影みたいなのがついたみかんがあったですぅ。
2011年11月22日 そして、コンピュータは、それらを融合する新次元のパワーとなった。 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『パイを切る別の方法(A Different Way to Slice the Pie)』
伝説と伝承
D&Dの第3版が発売された時、多くの人たちが彼らへの利益がこれっぽっちもないからという理由で機会攻撃という考えを批判した。皮肉にも機会攻撃はそのずっと前からシステムに存在していたというのに。初期のD&Dで、もし君が隣接した敵に背を向けるなら、彼は君へ攻撃を行なう機会を得ていたが、これはもちろん機会攻撃である。また、君が敵の隣に立っているなら弓や呪文を使えなかったが、それを可能にするハウス・ルールはよくあり、それも君の敵が君へ攻撃を行なうものだった。
(少なくともD&Dのための)“機会攻撃”という言葉はこのゲームでは第2版中期の『Player's Option』まで作られていなかった。さまざまな特殊な状況を体系化してルールをまとめるのは、素材を整理して概念を管理するすばらしい方法に見えた。
新しく成文化したルールの問題は、それが覚えるべきもののひとつに加わることだ。さらに、それはたとえプレイ中に決して起こりえないことでも、君が学ばなければならないゲームの一部になってしまう。ありえそうもない話だが、第3版では実際にプレイするまで誰も“機会攻撃”の項を読んで理解していないこともある。なぜか? それは機会攻撃がプレイヤーのターンに誘発されないアクションだからだ。彼らは同様に状況によるものも忘れやすい。
そこで、パイを別の方法で切ることを想像して欲しい。D&Dの戦闘要素として機会攻撃を声高に叫ぶより、君は彼らが必要な時に応じて単純にルールを加える。第1版のように、君が敵から離れたり、飛び道具を隣の彼に撃つとき、その敵は攻撃を行なえると言えばいい。
この方法では、君がルールを必要とした時にだけそれは現われる。成文化された部分は少なく、プレイする前に知るべきルールもより(あるいはもっともっと)少ない。“ほどかれた”ルールは個々に分類されてルールブックの大きな章に記述され、ルールが必要になった時に読める。
必要な時に追加するルールには、君がわかりやすく低レベルのゲームをプレイできるという利点がある。たとえばダメージへの抵抗など、1レベルのプレイからは必要でないと主張する人がいるかもしれない要素がゲームには多くある。これは立派な仕組みだが、1レベルの段階で君はダイスをロールしてそれがヒットしたかを見たいだろう。ダメージへの抵抗という概念を発生する状況(呪文や、モンスターの能力など)の内側にまとめておけば、これらのルールや状況が低レベルのプレイで発生しないことを確認した君は無視しておくことができる。新しいプレイヤーと経験豊富なプレイヤーでも、1レベルのキャラクターをプレイする時はダメージへの抵抗(あるいは瞬間移動、あるいは念視、あるいは精神操作、あるいは組みつきなど、君が低レベルのプレイで不要や厄介すぎると判断した概念)を知らなくても、多くのルールを必要とせずテーブルにつくことができる。
この思考法を使うなら、私たちは5レベルあるいは12レベル、はたまた19レベルでもシナリオを安定させ、キャラクターのレベルだけではなく複雑さも重要にすることができる。高レベルではゲームがより複雑になると承知しているなら、私たちはそれを効果的に使うことができる。DMが店で8レベルのキャラクター向けシナリオを見つければ、その記述が彼にどれくらいの脅威かだけでなく、そのシナリオの複雑さがどれほどなのかもその記述で語ることができる。こうすれば、わかりやすく軽快に遊べるゲームを望むなら低レベル、そしてより幅広く、より複雑なゲームはより高いレベルでプレイすることができる。私たちはより複雑なオプションを中から高レベルに限定したルールのサプリメントを作ることすらできる。
つまりは、きちんとルールをまとめることで、一握りのゲーム・デザイナが彼らのためにそれを行なうことなく、ゲームのグループが彼らのゲームに望む複雑さを決めてもらうことができる。私はゲームをどうプレイすべきかという話をしたくない。私は手段――おそらく複数の手段――を君のために準備し、君が君のゲームに望むよう合わせていくのを望んでいる。
2012年11月22日 生きていくためのささやかなルールであり、迷信に近い。 編集
§ [DnD][4e] 2012年10月07日(無題)に画像追加
2012年10月07日(無題)にセッション中の画像を追加したですぅ。
今回は簡単な地図とかを使ったのでそれも載せたですぅ。
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2013年11月22日 編集
§ [Promiscuus] 異星人とのコンタクト
今日は異星人とファーストコンタクトをするためにフィボナッチ数列や素数を電波や外宇宙探査船に乗せて宇宙へ流していたら、地球が猥褻物を銀河規模で垂れ流す有害文明扱いされて異星人の文明から取り締まられるファーストコンタクトネタを思いついたですぅ。
異星人文明側からのファーストコンタクトの試みも考えたけど、地球にたくさんの隕石が落ちてきたと思ったら素数個ごとのグループになっていて、知的生物に理解されることを目的にした通信だったオチが出てきたですぅ。
もう一方で、ジャイアントインパクトや恐竜の大量絶滅などを発生させた隕石はいつどこで生まれるかわからない文明のために、地質学的タイムスケールで惑星というメディアにメッセージを刻むためのコミュニケイション手段だったという話にしても、スケールを大きくできそうでよさげですぅ。
2016年11月22日 編集
§ [DnD][5e] 『クレリック: 信仰の領域(CLERIC: DIVINE DOMAINS)』
Unearthed Arcana
今週のUnearthed Arcanaで、クレリックは新たな信仰の領域のオプションから祝福を受ける。Forge、Grave、Protectionだ。私たちは君がそれらの説明を読むよう呼びかけ、それらでキャラクターを作成し、そしてそれらを君が気に入るかを観察する。
次週、私たちは君が何を考えたか私たちに知らせられるように、調査を行なう。
バードの調査
これから先の数ヶ月について
君にプレイテスト、議論、そして考えてもらうためのD&Dコンテンツを私たちはたくさん準備した。事実、私たちは何ヶ月かにわたって月に何度もUnearthed Arcanaを発表するための充分な原稿を持っている。月曜日に原稿を読もう。私たちは君が愛しているものを取り上げては純化し、私たちは君が好きではなかったものを取り上げ、それらを捨てるか再設計する。どちらの方法にしても、君からの反響は重要だ。
私たちの双方――マイク・ミアルスとジェレミー・クロフォード――は近い未来のためのUnearthed Arcanaに取り組み、Sage Adviceのコラムはしばらく休ませてもらう。一方、ジェレミーは公式なルールへの回答をツイッター(@JeremyECrawford)のほか、Dragon Talkポッドキャストの時間を使って新たなSage Adviceを提供し続ける
今週はクレリックの領域3つですぅ。
2025年11月22日 編集
§ [CoC] シナリオ:METAMORPHOSE
今回も新クトゥルフ神話TRPGの小シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。
このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
キーパー向け情報
某地方都市の某大学の学生
探索者たちは一花がヘルプに呼んだDJやVJ、裏方要員である。
一花はVJとして参加し、自分が流す曲の段取りについては未発表のシークレットとしているが、彼女が書いた曲とPVは1970年代のアングラ演劇華やかなりし頃に和訳された戯曲『黄衣の王』にインスピレーションを受けた『King in Yellow』で、これは演者を依代に黄衣の王を降臨させる儀式になってしまうものだ。
準備期間中に事情を探り、イベント当日にパニックを集束させればシナリオは終了となる。
NPC紹介
シナリオの導入
探索者たちは成宮一花や馳栄勝に学園祭で行なうレイヴのスタッフとしてスカウトされ、学生たちがよく使う大学近くのファミレスで顔合わせと打ち合わせを行なう。2人の他には残り3人のDJ、VJ担当者と、5人の裏方がいる。
DJ、VJで呼ばれた探索者たちは、内容はお任せで尺は30~60分、機材は主催が準備している物以外は自分で持ち込むようになど、ステージでやることを詰めていく。
裏方で呼ばれた探索者たちは、機材の搬入や搬出、持ち込み機材を扱ううえでの段取り、屋外でやるため会場内外の人の流れの制御などの話を詰めていく。
こうして打ち合わせは進むが、一花は「アタシの出番は主催者権限のサプライズってことで。大丈夫大丈夫」と自分のパートで何をやるかは話さない。
打ち合わせの中で〈心理学〉に成功すれば、一花の様子にイベント前の興奮とも異なる、一種の狂気に近い何らかが混じっていることに気づける。これはキーパーがプレイヤーたち〈心理学〉を行なうように告げてロールさせること。
一行は数時間の打ち合わせをした後、一花は「これから2週間、ゲストの中でもヘルプで来た人は今日から参加で全員集まれる日は少ないけど、グループメッセや会える人で打ち合わせして詰めていきましょ」と締めくくる。
1.成宮一花との打ち合わせ
一花とは、学園祭までの暇な時間の合間に3回打ち合わせの時間を取ることができる。この打ち合わせの時に探索者が〈言いくるめ〉〈説得〉〈魅惑〉に成功すれば、彼女の家を訪問することができる。
2.成宮一花の家
一花の家は大学から歩いて10分ほどのマンションだ。玄関には暗証番号によるセキュリティがあるタイプだ。
中はワンルームタイプで、よく掃除されている。レコードやCDが詰まった棚があり、音楽用の機材が整理されて置かれている。部屋の中央にあるテーブルの上にはノートパソコンと、1冊の古ぼけた薄い本が置かれている。
この本について一花に訊ねれば、「クラブで会ったおっさんに貰ったんだ」、「演劇の脚本で、そこから新曲とPVを思いついたの」などと話をしてくれる。本は以下のデータを参照すること。
『黄衣の王』
日本語、翻訳者は不明、1970年
英語版の『黄衣の王』を翻訳した日本語版の演劇脚本。アングラ演劇華やかなりし時代に翻訳され、マイナーな劇団によってどこかの小劇場で上演されたという噂がある。
正気度喪失:1D10
〈クトゥルフ神話〉:+1%/+4%
神話レーティング:15
研究期間:1週間
呪文:なし
この本には印象的な意匠の印が描かれている。これはハスターを象徴する黄色の印であり、本を読んだ探索者は混沌とした渦巻きが何らかの形を取っていくようなイメージが頭の中に流れ込み、0/1D6正気度ポイントを失う。
この本の印を見た探索者は眠りにつくごとに0/1正気度ポイントを失う。これは〈正気度〉ロールに成功するか、狂気に陥るまで続く。
探索者が動揺する様子を見せると「ね? 凄いでしょ?」と一花は満足そうに魅力的な笑みを見せる。一花に本が欲しいと言うなら、ハードの〈言いくるめ〉〈説得〉〈魅惑〉に説得すれば「惜しいけど、まあこれくらいでなら」と5000円で売ることを了承する。イクストリームで成功した場合、ただで貰える。
3.事前の対策
探索者たちが一花の様子がおかしく、その対策としてイベント前に何かを行ないたい場合の例を以下に紹介する。
一花の新曲とPVは彼女のノートパソコンに保存されている。これはパスワードで保護されている。彼女が食べ物を取りに行った時やトイレに行く時に隙を見てデータを削除することを試みるなら、ハードのDEXと〈図書館〉の組み合わせロールに成功すれば、データの保存場所を発見して削除することができる。ハードのDEXと〈コンピュータ〉の組み合わせロールに成功すれば、ネットにアップロードされているバックアップを発見して、それを削除することができる。この2種類の判定は一花がいない時にいずれか1回しか行なえない。どちらかが残っている場合、一花はバックアップからデータを復旧させる。
こうした場合、データを失った一花は激怒して状況証拠から探索者を犯人と決めつけ、イベントのメンバーから外すことを通告する。探索者がイクストリームの〈言いくるめ〉〈説得〉〈魅惑〉に成功しなければ人間関係を修復できない。
コンピュータを操作してデータを洗い出す場合、探索者がハードの〈言いくるめ〉〈説得〉〈魅惑〉のいずれかに成功すれば、一花にパソコンが不調そうだと思い込ませることができる。こうした場合、彼女はパスワードを探索者たちに教え、イベントまでになんとかして欲しいと頼み込む。この場合は〈図書館〉ロールに成功すればデータの保存場所とネットのバックアップを発見できる。しかし、この場合でもデータを失った一花は激怒し、前述のような判定を行なう必要がある。
スタッフの栄勝たちや参加するDJ、VJたちに話を聞いても、一花は絶対繋げていけるからと自信を持ち、なおかつ主催者特権と言い張って自分の段取りを明かしていないことがわかる。
一花に『黄衣の王』を渡した者について話を訊くなら、ハイヴというクラブに出入りしているアキと名乗っている男だったと話す。この情報からハイヴのマスターに話を訊いても、そういう客はいたかもしれないが、こういう商売なので一々客の顔なんて覚えてられないと話し、捜査はここで止まらざるをえなくなる。
4.King in Yellow
イベント当日、客が温まってきたタイミングで一花がステージに上がり、VJを始める。場はさらに盛り上がり、最高潮に達そうとした時、彼女は『黄衣の王』からインスピレーションを得て書いたオリジナルの曲『King in Yellow』を流し、背後のモニタからは映像を流す。これが始まった瞬間、彼女の髪の色と服は黄色を中心としたさまざまな色に次々と変わり、顔は青白いマスクをつけたような姿になる。彼女の体を依代に黄衣の王が降臨したのだ。
この成宮一花の変貌により場はさらに盛り上がる。テンションの上がった者は次々と狂ったように踊り出し、彼らの姿も黄色がかかった幻想的な色になっていく。
一花のデータを破棄していた場合でも彼女は残された素材などから突貫でデータを作り直し、なんとか場を繋げられる、すなわち不完全な儀式が行なえる程度の曲とPVを完成されている。この場合、彼女は黄色いオーラのようなものを体中にまとう程度で済む。しかし観客はこれを演出の一環と思い、完全な儀式が行なわれたほどではないが大いに盛り上がる。
この段階でPAの栄勝が「やばい、こんなの一花さんとシークレットで詰めてた段取りにも無いですよ! 客もなんか様子おかしいし!」と探索者たちを探しては異常を告げに来る。
5.降臨そして伝染
完全な儀式が発動して一花に黄衣の王が降臨していた場合、彼女はマスクを外して会場の参加者やスタッフ全員に黄衣の王としての姿を晒し、彼らに1D3/1D10正気度ポイントを失わせる。これは彼女を目にした探索者も例外ではない。会場は熱狂とパニックが入り混じった状態と化す。
この狂乱によって踊り狂う参加者たちも次々とマスクをつけた黄衣の王の姿になっていく。この騒ぎに会場の外からも何事かと人々がやって来て、彼らも黄衣の王を見て狂乱していく。これは一花を止めない限り学園祭に来た者たちすべてを巻き込んだパニックとなっていく。
探索者たちが電源コードを引き抜いたり機材を破壊したりしても、なぜか音楽は鳴り止まず、空中にホログラムのようにPVが流れ続ける。
降臨した黄衣の王を退去させて事態を収拾するには〈近接戦闘(格闘)〉〈近接戦闘(絞殺ひも)〉などのマヌーバーで一花を拘束する必要がある。この際、一花のビルドは0として計算する。しかし、この状態の一花は黄衣の王としての攻撃方法を持ち、全力で探索者たちに抵抗する(ビルドが異なることによるDBの変化には注意すること)。拘束に成功すれば、黄衣の王の憑依は解ける。
一花の曲とPVが不完全だった場合、曲の最後に仮面を外した黄衣の王の姿がPVに映り、それを見た者たちは1/1D3の正気度を失う。
結末
完全な黄衣の王の降臨がなされてその事態が集束した場合、学園祭での一件は伝説のレイヴとしてその筋の者に語り継がれ、一花の名声は跳ね上がる。
黄衣の王の降臨を放置した場合、その狂乱は大学、街、そして世界へと、それこそスマートフォンで現場を映している者たちの電波によって伝播していき、世界はパニックに陥る。
一花の曲とPVが不完全だった場合、斯界での彼女の評価は若干落ちるが、彼女は諦めずに新たな表現を作っていくことだろう。
なお、イベントの機材を破損させた場合、一花と栄勝、探索者たちはしばらくの間賠償請求に悩まされることになるだろう。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」
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