ネコぶんこ


2008年11月29日 三億体のミニオンが孵化するが成人するのは一割未満 編集

§ [DnD][4e][KotS] 2008年11月16日『シャドウフェル城の影

ハーディ(秩序にして善、ハーフエルフの男性、クレリック1):ハーフエルフ・クレリック。当たらぬヒーリング・ストライクは伊達との言を残す。プレイヤは隠者氏。

ベアトリス(秩序にして善、ハーフエルフの女性、ウォーロック1):ハーフエルフのウォーロック。安定してダメージを出していた。ふたつ目の命を使う。プレイヤは森聖氏。

モング(属性なし、ギスヤンキの女性、ソードメイジ1):ギスヤンキのソードメイジ。1ラウンドなら大丈夫だろうと先行したら蜂の巣にされていた。プレイヤは荒原の賢者氏。

色々と版上げとロマンについて話して「3eまではルールが違う、セーヴを“振らせる”ことが魔法っぽさだった」の台詞が心に残る中でゲーム開始。PCは冬越村の村長、パドレイグ卿から街道を荒らしているコボルド退治を依頼されて彼らのねぐらへ向かっていたが、不意討ちを受ける(『A1:Kobold Umbush』)。一気に距離を詰められてモングがMob Attackによって袋叩きにされるが、次のターンからSword Burstで範囲を薙ぎ払う。しかし多勢に無勢、集中攻撃を受けてモング、ハーディが順番に倒れる。ギリギリのところでベアトリスが敵のまじない師を撃退し、過半数がやられていたコボルドたちは捨て台詞を残して撤退した。

ここで、このままでは色々と問題があるということで急遽野営を行ないレベルアップ。PCは偉業を神々に認められ、後づけでクエスト経験点を授かった。

翌日、PCたちは小川沿いにあるコボルドの隠れ家へ続く道にたどり着いた。近くでは滝壷を叩く水音が聞こえる。

「滝?」
「小川がちょっと流れ込んでるくらいですよ(シナリオ付属の絵を見せる)」
「いや大規模ですから。それ大きいんですけど」
「あなたには大陸的大雑把さが足りない。画像はイメージです。これは一番大規模なところとでも思って」

ひとり先行したモングが〈隠密〉に成功して不意討ちラウンドを得るが、Minionにたかられてじわじわと削られる。ハーディがキュア・ライト・ウーンズを発動(ハーディこの時これを1日1回のパワーと気づいていなかった)しながら、機会攻撃覚悟で押し込んでくる大群をモングがひたすら地面に剣を突き立ててSword Burstで討ち払った。

「囲まれたなら丁度いい。Sword Burst
「じゃあこれとこれとこれ命中。Minionなので死にます。『お母さーん』『うわーもうだめだー』『済まん、クリスマスには帰れねえや』」
「その描写ヤメレ」

かくて護衛を全滅させたところで、パーティは小休止を取って洞窟の中へ踏み込む。

洞窟の中でもモングが先行して〈隠密〉を試みるが、これを見破られて十人ほどのMinionからジャヴェリンの十字砲火を受けてhpが半分以下になるところから戦闘が始まる。しかしここに来たら手馴れたもの。Skirmisherのジェットストリームアタック(移動アクションとShiftyで挟撃を維持しながら回り込む)を受けたりはするが、順調に雑魚を落とす。

そして戦闘開始から三ラウンド。奥のほうから新手を引き連れて首領らしきホブゴブリンが現われる。

「先生はこのままだと多分全滅すると思うので救済ルール考えてます」
「ふむう」
「雑魚全滅とボスを流血状態にしたところで、遭遇が切り替わって小休止相当の回復を行なえます」

雑魚をあらかた掃討したところで、Wyrmpristと遠隔ダメージの撃ち合いをしていたベアトリスが倒れ、死亡セーヴを落として死亡。モングの剣がGodlin Tacticsでハーディへ迫るボスを流血状態に陥らせたのはその直後のことだった。

「遭遇切り替わったしコインいっこいれて復活してよし」
「hpと場所は?」
「0hpから一回回復力使った状態で、倒れた場所に」
「つらい」

流血状態になったことでボスは本気を出し、その斧を振り回す。

「というわけでボスは本気出します」
「ほう」
Dual Axe、このターンの移動を放棄して二回通常近接攻撃を行なう」
「はあ?」
「こっちは本来常時なんだけど忘れてました。そして、Blood Crazed。ダメージに+1d10してターン終了時に回復する」
「馬鹿じゃねえの」

いちど命中しただけでも倒れそうな攻撃がモングをかすり、それをハーディが必死に治す。ボスの出目がふるわずに決定打を与えられないところでベアトリスがWyrmpristを倒し、ふたたび小休止が入る。

この小休止で最大まで回復したPC側は一気にボスを押し込み、ほどなく土を舐めさせた。パーティは略奪されていた宝を奪い返し、冬越村へと凱旋したのだった。

§ [Ludus] Windows Mobileのソリティア6261点

時間は125だったですぅ。

§ [Ludus] Windows Mobileのソリティア6201点

時間は126だったですぅ。


2011年11月29日 プレイヤーはその世界で暮らしていた。 編集

§ [DnD][4e][LnL] 『君は何ができる?(What Can You Do?)』

伝説と伝承

モンテ・クック

ゲームでもっとも重要な面のひとつは議論を待つ必要がない。君は君のターンに何ができる?

これは言葉以上にたいへん複雑な問いである。それにはゲームで定義されたアクション種別(アクション、標準アクション、移動、移動アクション、移動代替アクション、マイナー・アクション、フリー・アクション、即効アクションなど)だけではなく、ラウンドの間、そしてラウンドが終わるまでに何ができるかも含まれている。これらの点はゲームの複雑さ、ゲームの抽象性、そしてテーブルでプレイされるときにラウンドが進む速さにも影響を与える。

第2版の末期にそれらは複雑化しており、第3版となるにあたってすべてが整理された。それは滑稽に見えたかもしれない。しかし、少なくともある点においてそれは正しかった。具体的な方法でそれらを解体して柔軟にしたが、システム全般では流動性が減った。

第3版で、ラウンドはかなり短い(さまざまな代替ルールでは既に短くなっていたが、1分から6秒になった)ものとなった。あらゆるアクションはプレイヤーがゲームで行なうことを直接表現できるものになり、ゲームの抽象性を減らした。プレイヤーが彼は攻撃をするといえば、それは彼のキャラクターがそうすることを意味する。以前の版でラウンドは1分だったので、時間感覚の抽象性は強く、彼が長い時間でどうしたかがより重要なものだった。これらの問題は厄介な問題はDMが長い時間枠を流動的に運用することで緩和され、抽象化によって糊塗された。典型的な戦闘は数秒とは対照的に数分間続き、現実味を感じる戦闘時間で終わるようになっていた。

しかしそれを扱うのは難しく、第3版と第4版でラウンドは(あるいはむしろ、1体のキャラクターがラウンド中そのターンで何ができるかは)大きなアクションと小さなアクションに細分化された。君は何かを行なって移動するか、何かを行なってデザイナが移動と等価とした別の何かを行ない、何度かフリー・アクションを行なう。それをより単純に、君のターンに君は1回しか行動できないようにするとどうだろう。それはその通りに行なわれ、アクションを分類する必要はない。君は攻撃するか移動するか呪文を発動するだろう。武器やアイテムを取り出す、ドアを開けるなど、ゲームが気前よく“計算に入れていない”ことを行なうかもしれない。ラウンドはより速く展開して参加者は彼らのターンをより速く回していく。君はプレイヤーを観察して彼らのターンに少しでも価値を持たせるために余計なアクションを絞る方法を探さなくても、それぞれのプレイヤーがそれを行なうだろうし、それが重要なのだ。このようなゲームの歴史を破壊するような簡略化は、昔からのプレイヤーならたじろぐかもしれない。しかし新しいプレイヤーには、“君は自分のターンに1つのアクションが行なえる”と説明することで多くを理解してもらえる。そしてそれはそれぞれのターンをより短く速いものにする。

“君は自分のターンに1つのアクションが行なえる”のやり方では、一部のプレイヤーは彼らのターンに攻撃や呪文の発動ができなければ、貴重なターンを浪費したように感じるだろう。人は移動やその他のことを行ないたくない。だが、プレイがより速くなれば、これは覆されるだろう。1戦闘ラウンドの処理に20分ほどかかりかねない旧版のゲームで、君がそれをすべて移動に費やしたら全然楽しくないだろう。しかし、ちょうど2分以下まで短くなったなら、君にとってそれはそこまで大きな問題ではなくなる。私は多くの異なることを君のターンに行なうより、1つの行動だけを行なう数ターンのほうがより利点があると考える。

ラウンドがより速く進行するなら、何かを受けた影響を君は1、2ラウンドで脱せるため(たとえば、気絶や組みつき)非常に軽いものとなる――これはキャラクター視点からではなく、プレイヤー視点での評価だ。速いプレイは自分のターンが回ってくるのを待つ時間が減るため、プレイヤーをゲームに集中させる。しかし、ここだけ変えてもおそらく私が書いたほど劇的にプレイ速度が上がることはなさそうだ。もし読者がこの研究の観点を興味深く思ったなら、私は今後のコラムでプレイ速度を上げる他の可能性を検討する。意見を聞きたい。


2012年11月29日 知性をエロス化せよ。 編集

§ [Promiscuus] しおれた

なんとなくぐんにゃりしてたらいろいろすっとばして夜になっていたですぅ。


2013年11月29日 編集

§ [DnD][4e][BoVD] 『不浄なる暗黒の書 第4版』日本語版発売決定

Book of Vile Darkness』の日本語版、『不浄なる暗黒の書 第4版』の発売が決まっていてどびっくりだけど、以前『BoVD』が発売されたときのプレビュウを訳したものを[BoVD]カテゴリに分けているので、改めて紹介しますぅ。

悪のPCについてのデータもさりながら、そこから派生するPC間対立についてのプレイエイドとしてもよくできているのでそのうち紹介のエントリ書けるようなら書くですぅ。


2016年11月29日 編集

§ [DnD][5e] 『ドルイドのCIRCLESとWILD SHAPE(DRUID CIRCLES AND WILD SHAPE)』

Unearthed Arcana

マイク・ミアルスとジェレミー・クロフォード――2016年11月28日

今週はドルイドの新たなオプションが芽吹く。3つの新たなDruid Circleのオプションと、異なるbeast shapeのWild Shape用オプション・ルールだ。私たちは君がその説明を読むよう呼びかけ、それらでキャラクターを作成し、そしてそれらを君が気に入るかを観察する。

次週、私たちは君が何を考えたか私たちに知らせられるように、調査を行なう。

クレリックの調査

君が先週のクレリックのオプションを読んで考える時間を与えられている現在、私たちは以下の調査でそれらに対する君の反響を得る準備ができている。

これから先の数ヶ月について

君にプレイテスト、議論、そして考えてもらうためのD&Dコンテンツを私たちはたくさん準備した。事実、私たちは何ヶ月かにわたって月に何度もUnearthed Arcanaを発表するための充分な原稿を持っている。月曜日に原稿を読もう。私たちは君が愛しているものを取り上げては純化し、私たちは君が好きではなかったものを取り上げ、それらを捨てるか再設計する。どちらの方法にしても、君からの反響は重要だ。

私たちの双方――マイク・ミアルスとジェレミー・クロフォード――は近い未来のためのUnearthed Arcanaに取り組み、Sage Adviceのコラムはしばらく休ませてもらう。一方、ジェレミーは公式なルールへの回答をツイッター(@JeremyECrawford)のほか、Dragon Talkポッドキャストの時間を使って新たなSage Adviceを提供し続ける

今週はドルイドのCircleが3つと、Wild Shapeの新ルールですぅ。


2017年11月29日 編集

§ [DnD][5e] 『調査:エルフの副種族(SURVEY: ELF SUBRACES)』

Sage Advice

ジェレミー・クロフォードとマイク・ミアルス――2017年11月28日

前回のUnearthed Arcanaでは4つのエルフの副種族が公開された。avariel(羽エルフ)、grugach(グレイホークのワイルド・エルフ)、sea flves、そしてシャダーカイ(レイヴン・クィーンの死したるしもべ)である。君が前回のこれらのオプションを読んで考える時間を与えられている現在、私たちは以下の調査でそれらに対する君の反響を得る準備ができている。この調査は約3週間公開される。

これはプレイテスト用

Unearthed Arcanaの内容は、プレイテストと君の想像力をひらめかせるために発表される。これらのゲーム・メカニクスは草案の形式で、君のキャンペーンで使えはするが、洗練されたデザインではないし、ゲーム開発過程と編集の最終段階を通ったものではない。これらはゲームの公式な一部ではない。これらの理由から、このコラムの内容はD&Dアドヴェンチャラーズ・リーグのイベントでは非合法となる。


2025年11月29日 編集

§ [CoC] シナリオ:連なってきたモノ

今回も新クトゥルフ神話TRPGの小シナリオですぅ。クラシック版でもプレイ可能ですぅ。

このシナリオを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。

キーパー向け情報

重大な情報

このシナリオは単体でもプレイできるが、『廃屋の宝探し』、『怪物物件』、『カメラを止めろ!』、『METAMORPHOSE』をすべて行なった後の最終シナリオとしても設計されている。そのため、事前にこれら4本のシナリオをプレイしておく方が、より楽しめることだろう。

某地方都市には、蓮台寺明久れんだいじあきひさという魔術師が隠れ住んでいる。彼はこの街で様々な魔術的実験を行なってきた。彼の正体は這うものと呼ばれる蛆の塊に魔術師の魂が宿ったものの変種で、数百年を生きている。

普段の蓮台寺はかつて殺した人の皮を被って真の姿を偽装しているが、それもそろそろ限界が見えてきた。しかし、彼は狡猾な魔術師である。この時代に殺人を犯す危険さを熟知している。そこで彼が思いついたのは、生命の力を宿す自存の源たる神格、ウボ=サスラの落とし子である。

蓮台寺は都市の下水道などをねぐらにする食屍鬼のコミュニティと話をつけて下水道にウボ=サスラの落とし子を召喚し、その落とし子の肉を加工し、新たに自分を覆うための皮を作っている。

だが、蓮台寺は落とし子とは魔術的な交感で居場所を把握することはできているが、完全な制御には至っていない。そのため、落とし子は飢えを満たすために街の地下をさまよい、時に外界へ出て生物を丸のみにしている。この落とし子は都市の環境に適応しつつあるため、犠牲者を半分ほど“食べ”たらその場に放置してまた下水の中に戻る習性を身につけた。

こうした事情で、街では野良犬や野良猫、カラスなどの動物をこそげ取る猟奇趣味の者が徘徊していると悪い噂が流れ、ペットの飼い主などは大いに警戒している。

こういう不穏な状態になっている街で、探索者たちは街にある寺の和尚馳河勝はせかしょうから、残酷な者が徘徊しているかもしれない街を散歩させるのは不安だが、飼っている犬が散歩に行きたがるので、しばらく何人かで護衛しながら散歩させてほしいと頼み込まれる。もちろん、小遣い程度の報酬も支払われる。

犬の散歩をしてる時に遭遇する怪異と対峙し、蓮台寺明久を止めればシナリオは終了となる。

NPC紹介

キムト:56歳(ミイラになった時の年齢)、古代エジプトの魔術師でヨグ=ソトースの信奉者。『シナリオ:廃屋の宝探し』で彼と友好的に話をつけたなら、彼は探索者への貸りを返すため、この時空へやってくる。

馳河勝はせかしょう:73歳、某地方都市にある浄土真宗起興寺きこうじの住職。歳の割には若く見られるが、足腰の痛みが気になってきている。飼い犬のポチをかわいがっているが、自分では動物殺し犯と遭遇した時に危険だからと、探索者に散歩の手伝いを頼んでくる。馳栄勝の祖父でもあるので、彼からバイトを頼まれるという形で導入してもいいだろう。

ポチ:9歳、馳家の飼い犬。柴犬で人懐っこい。

リチャード・アプトン:30歳?、かつて戸村コーポ二号館に住んでいた食屍鬼のリチャード・アプトン・ピックマン。現在は別の安アパートに引っ越したが、まだこの街に滞在している。『シナリオ:怪物物件』で彼と友好的に話をつけたなら、このシナリオで探索者たちが食屍鬼たちと接触した時に顔を見せ、地元の食屍鬼たちに蓮台寺蓮台寺と手を切るように話をつける。

蓮台寺明久れんだいじあきひさ:26歳?、某地方都市を拠点にしてさまざまな魔法の実験を行なってきた魔術師。その正体は人の皮を被った自我を持つ這うものである。街の地下でウボ=サスラの落とし子を育成し、新たな皮を作ろうとしている。

シナリオの導入

探索者たちは馳家の人々からの頼みや近所のよしみで、起興寺の飼い犬、ポチを護衛しながら散歩することを頼まれる。馳河勝は探索者たちに飲み物と菓子をふるまいながら「心配しすぎかもしれんが、家族の一員だからな」と、ポチを見ながら話す。

1.川辺での危機

ポチの散歩コースは、寺から町内を一周してまた戻ってくるものだ。途中には結構広い相級川さらしながわという川があり、そこには人が入れそうなくらいの広さの排水溝が繋がっている。

雨水管の近くには水鳥が羽を休めているが、それが排水溝の中からすっと出てきた灰色のゴムのような物に絡め取られ、足とももの少しを残して灰色の物体に取り込まれてしまう。この様子を見た探索者は0/1D2の正気度ポイントを失う。ポチはそちらの方を向いて激しく鳴く。

その鳴き声に反応してかしないでか、灰色の物体は周りを確かめるように蠢くが、しばらくすると背中の丸まった犬のような顔をした男が現われ、デッキブラシでその灰色の物体を排水溝に押し込んでいく。この男は橋の上からでもわかる臭気を発する食屍鬼であり、見てしまった探索者は0/1D6の正気度ポイントを失う。

そうこうしているうちに、顔の下半分を覆うマスクをした男が川辺の階段を下りていき、犬のような男に何事か話すと、言われた方はデッキブラシを持って慌てて引っ込んでいく。

マスクの男は探索者たちに近づく。彼も消臭剤の香りはするが、その下から嫌な臭いを発してしている。彼は「私は……そう、私立探偵のリチャード・アプトンという。どうやら少し面倒な事が起こっていて、君らに手伝いをしてほしい。なに、金は払うさ。犬の散歩をしてから来てほしい」と言う。

探索者たちが『シナリオ:怪物物件』で彼と遭遇していたなら、彼がリチャード・アプトンことリチャード・アプトン・ピックマンという食屍鬼だとわかる。その場合、彼は「私が以前住んでいたアパートの探偵を名乗っていた奴が、相当危険なことをしている。協力してほしい。犬の散歩中なら帰らせてからここに来てくれ」と言う。

2.ピックマンの話

探索者たちがピックマンのところに戻ると、彼は近くのホームセンターで買ったのか、ロープや懐中電灯を持っている。探索者が望むなら、チェーンソーやネイルガン(中型ナイフとして扱う)を準備していてもようだろう「私には無用だが、君らには必要だろう」と渡し、排水溝へ入るようにうながす。

ここしばらく晴天が続いていたため、排水溝に水は流れていない。ピックマンは歩きながら「これで私も長生きでね。君らがさっき見たような奴らの世界には少々顔が利く。ああいうのはこの街にも少々住んでいるのだが、どうも危ない橋を渡っているようで、忠告をしてやったのさ」と話す。

3.食屍鬼会議

排水溝をしばらく歩くと、少し広さがある地下遊水池に出る。そこには3体の食屍鬼がおり、人数分のデッキブラシが転がしてある。

食屍鬼は「人間が何しに来た!」と食ってかからんような勢いでとびかかろうとするが、ピックマンがマスクを外して探索者たちには聞き取れない謎の言語で話すと、一旦その場に静止する。

ピックマンは「彼らにも事情があるようだ。聞いてやってくれ」と探索者をうながす。ここで対人関係技能に成功すれば、彼らは蓮台寺明久という魔術師から100万円を貰い、彼らが住んでいるこの排水溝網の一部を貸したこと、蓮台寺はそこにウボ=サスラの落とし子という怪物を召喚して何か作業をしていること、外に出ようとする落とし子を排水溝に戻すのも仕事のうちになっていることを話す。金のことについてピックマンや食屍鬼に訊ねると「怪物が生きるには何かと金がいるのだ」と言う。

探索者たちが蓮台寺を止めることを決意するようなら、食屍鬼たちは彼が儀式を行なっている場所と、用心棒に食屍鬼が1人ついて行っていること教える(契約には教えるなと書いていないのだ!)。

4.行く手を阻む者、あるいは

排水溝の先には蓮台寺の下僕である3体のネズミ怪物が隠れている。探索者たちのうちで一番高い〈目星〉または〈聞き耳〉を目標に〈隠密〉ロールに成功し、ハード成功したネズミ怪物は、侵入者の接近を蓮台寺へと伝えに走る。見つかったネズミ怪物は、探索者に噛みつこうとして戦闘になる。

『シナリオ:廃屋の宝探し』でキムトと友好的に接していた場合、ここにはミイラが立っており、その足元には古ぼけた短剣が3本、ネズミ怪物に突き刺さっている。彼は「“目”は潰しておいた」と言い「時空を超越した者がかようなことをするのは良くないが」とネズミ怪物から短剣を引き抜き、「お前たちには借りがあるゆえ、使うがよい」と、《ナイフに魔力を付与する》を施した古ぼけた刃物(中型ナイフとして扱う)を3本与える。

探索者たちが同行を頼んだ場合、同行しているピックマンを見ながら「そこな食屍鬼は世界の闇、我は時間の外におる。理外の者たちに関わりすぎると身を滅ぼすぞ」と忠告するのみにとどまる。

5.最期

排水溝の終端はもうひとつの地下遊水池である。そこには灰色でゲル状の肉塊、ウボ=サスラの落とし子がおり、これを見た探索者たちは1/1D8正気度ポイントを失う。落とし子は変な場所へ行かないように食屍鬼がデッキブラシで追い立てている。

そこから少し離れた場所には蓮台寺明久がおり、広いテーブルの上で薄い皮のようなものをナイフや細工道具で加工している。

探索者たちが〈隠密〉などを使わない場合、蓮台寺は探索者たちに気づき「何かな? ここは私の工房だ。不法占有かもしれないが、役所を通じて話をしてくれ」などと話を引き延ばしながら、ウボ=サスラの落とし子に探索者を攻撃させようとする。この先制の一撃を見破るには〈心理学〉に成功する必要がある。

ウボ=サスラの落とし子に探索者たちを攻撃させた、あるいは探索者たちが攻撃した場合、蓮台寺は「余計な邪魔が入ったな。この街も潮時か」などと嘯き、手に持っている小型ナイフか、《萎縮》、《ウボ=サスラの落とし子の召喚》、《グラーキとの接触》、《手足の萎縮》、《破壊》の呪文を使って応戦する。彼の這うものとしての装甲は、ウボ=サスラの落とし子による丸のみ(mnvr)や、《ナイフに魔力を付与する》がかかった短剣には通用しない。

戦闘になると最初のアクションでピックマンは食屍鬼に自分の名を名乗り、ウボ=サスラの落とし子から離れるように指示する。これ以降、この食屍鬼は戦闘に参加しない。

蓮台寺は1点でもダメージを受けると蛆の塊である這うものとしての正体を現わし、「生かしては帰さんぞ」と激怒する。探索者たちは1D3/2D6正気度ポイントを失う。

ウボ=サスラの落とし子は戦闘が始まった様子に何か感じるものがあったのか、近くにいる者を手当たり次第に攻撃し始める。ダイスをロールして攻撃の目標を決めること。

勇気ある探索者は蓮台寺をウボ=サスラの落とし子に取り込ませようとするかもしれない。そうするなら、「蓮台寺をつかむ」と「蓮台寺を落とし子の体内に叩き込む」の2つのマヌーバーを成功させる必要がある。こうした場合、蓮台寺はウボ=サスラの落とし子に丸のみ(mnvr)されたことになる。

蓮台寺が倒れればウボ=サスラの落とし子はおとなしくなり、その場にわだかまる肉塊になる。

結末

ウボ=サスラの落とし子は、おとなしくなった状態なら灯油などをかけて燃やすこともできる。キムトが来ている場合は「仕事を増やしおって」と愚痴りながらもいずこかへと退去させ、彼もまたどこかへ去る。

ピックマンは探索者たちに丁寧に礼を言い、食屍鬼たちから交渉して得た分も含め、1人当たり10万円を探索者たちに渡す。また、探索者たちはこの街の食屍鬼たちにも恩を売れたことだろう。

それからしばらくすると動物虐殺事件はピタリと止み、やがては消え、この街はふたたび表向きの平穏を取り戻すことになる。

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」